ピンクとグレーを観た

まずは、無事に初日を迎えられたことが良かったと思ってます。おめでとうございます。私は、初日に裕翔担の友達と観に行ってきました。

 

以下ネタバレあり。かなり否定的なので、マイナスの意見を見たくない方は読まない方が良いです。解釈や見当違いな部分もあるかもしれないけど、思ったままに書きます。

 

 

 

映画観た直後の感想。「この映画、好きじゃない。」

好きじゃないと言うのは裕翔贔屓で優しく言ってしまったのかもしれない。嫌い。これが素直な感情。私には映画の良し悪しは分からないけど、好みの問題。私の好きなタイプの映画ではなかった。いろいろなインタビューなどを見て「私は行定監督と気が合わないような気がする」と思っていたけど、でもどこかで期待もしてた。でも、やっぱり合わなかった。

「シゲちゃんのファンは怒らないかな?」とも思った。私は原作を1回しか読んでいなくて、しかも半年以上前だから詳しく覚えてもいなくて、原作について深く考えてもいないし、原作に特別思い入れがあるわけでもない。でも、「こんな嫌な話じゃなかった」とはすぐ思った。原作を読んだときは、嫌いな話だとは思わなかった。登場人物に対して嫌悪感も抱かなかった。

そう。登場人物に嫌いな人が多かった。誰にも感情移入ができなかった。

りばちゃん。あぁもうあーゆー人嫌い!コンプレックスのかたまりで短絡的で自分に自信がないのにプライドだけは高くて。あー嫌い!私はこの話はごっちとりばちゃんの友情の話だと思っていたけど、映画では友情をあまり感じられなくて。でもそれはりばちゃんがクズだからってのも大きな理由の1つ。学生の時に好きなサリーを押し倒して泣かせて、大人になってまたレイプしようとする(未遂かどうかは不明)。全然成長してない。そしてロクに働かないけどプライド高くてバーター仕事は断る。これも学生の時も大人になってからも変わらない。そんな人との友情なんて続かないよ。ごっちが自殺した後も、結局はごっちを使って仕事して売れてハメ外して浮気して今までお世話になったサリーに暴力振るって泣かせて。永瀬に事実を言われたらキレて暴力振るって。あー大っ嫌いこーゆー人。確かに学生時代はごっちとりばちゃん友情があったのかなと思う。でも成長して努力して栄光掴んでいろいろな世界を見てきたごっちがそんなりばちゃんといつまでも友達でいるはずない。

最後だって、ごっちに縛られて人生狂って行った自分と決別するために、”ごっちとの関係"なのか"芸能界でのステータス"なのか両方なのか私には解釈できないけど、でもその象徴のライターを投げちゃう感性。嫌い。もう縛られないって気持ちを表してるんだろうけど、でも投げなくても。ごっちの形見なんだし、見えないところにしまっておくとか...。どうしても捨てるならせめてゴミ箱に捨てればいい。短絡的なところはやっぱり変わってない。りばちゃん勝手にごっちを意識して縛られてただけ。全然可哀想とか思えない。

でも、原作のりばちゃんはこんなに嫌なヤツじゃなくて、確かに僻んだりもしていたけど、ごっちだってりばちゃんのこと大切に思ってて。でもその大切に思ってるエピソードは削られて、嫌なやつって印象にするエピソードは沢山あるから。りばちゃんを嫌なヤツに監督や脚本家がしてしまっていた....。監督がパンフレットで言ってた。りばちゃんのIQ下げてるって。こんなに下げる必要あった?

そして永瀬と三神。無理。嫌い。ひどい。なんなのあのラリってる下品な人たち。見ていて不快。りばちゃん以上に不快。

唯一サリーは嫌いじゃなかった。そんな男(りばちゃん)ほっときなよ。早く捨てて新しい優しくて包容力のある男見つけなよ!とは思った。

ごっちは...ごっちはごっちなりに悩んだり努力したりしてあの地位を手に入れたんだなあとは思ってた。ごっちの事は好きだった。前半のりばちゃんが演じていたごっちは。もちろん顔が好みなのもあったけど、好きだった。でも、後半で本物のごっちが出てきて最後の最後に「お姉さんが好きだったから同じ日に自殺した」というのを知って、冷めた。りばちゃんが最後に「しょーもな」とライター投げたのは今までの自分との決別のためだと思っていたけど、もしかしてこの事実に心底しょーもないと思って幻滅してごっちなんてって気持ちだったの?それは確かにしょうもないわ...

りばちゃんは全然魅力的じゃなくて、ごっちもお姉さんがすべて(?)の人間で、そんな2人に友情がないのは当然で、でもそれならなんで遺体の第一発見者にしたんだろう。原作がそうだったから?ごっちの自殺の理由を“自殺したお姉さんのに特別な感情を抱いていたから”と変更してしまったから、いろいろなことが歪んでしまったように思う。

 

前半は好きだった。結構見入っていた。りばちゃん(役)の事は好きじゃなかったけど、それでも青春群像劇としてうっとりしながら観入っていた。前半でもごっちがりばちゃんを、りばちゃんがごっちを大切に思っているエピソードはあまりなかった(削られていた)けど、芸能界に出て差が出てきてからの2人には友情は感じられなくなっていたけど、それでも久しぶりに一緒に飲んで2人で酔っぱらってるシーンなんてすごくほっこりして観ていて幸せだった。(そこまでのシーンで全然伝わってこなかったけど)大切な友達なんだね、と。

62分後の衝撃?私にとっては62分後の興ざめだった。後半部分は芸能界の闇を見せたかったんだろうけど、登場人物も場面も下品なものばかりで観ていて苦痛だった。実際、世の中には嫌なことも汚いことも沢山あるし、芸能界なんてもっと裏表が激しいと分かっているけど、それでもその様子を映像として観ることは私には受け付けなかった。グレーじゃない。真っ黒。

おっパブのシーンも生々しいベットシーンもやった意味をパンフレットに書いてあったけど、もう少し他のやり方を考えられなかったのかな。監督や制作陣はR指定にならないギリギリのところを狙ったと言っているけど、小中学生の裕翔のファンがいることも分かっているよね?あれを子供に見せることに抵抗はなかったんだろうか。その感性が私とは合わない。私は子供に見せなくないし、だいぶ大人になった今だって見ていて気持ち良いものではなかった。

とにかく後半が生理的に受け付けないものばかりで、良かったはずの前半までそれに塗りつぶされてしまったような気がして残念。

 

管田くんはすごかった。演技のふり幅広くて、どっちの役も好きじゃなかったけど、でもすごいことは分かった。夏帆ちゃんも。ただ、夏帆ちゃんがあの下品な役をやったこと、やらせたことは嫌だった。学校へ行こうのかわいいイメージが強いからどうしても...^^;

裕翔は、すごく綺麗だった。2人には前半はごっちの美しさや儚さが良く現れていて、何しててもかっこいい。自転車乗ってても歌っていても立ってるだけでもかっこよくって、クールな顔も悲しそうな顔も笑っている顔も大好きだ。ポスターもPVもとにかくかっこよかった。裕翔のあんなにかっこいい大きなポスターがある世界に行ってみたいな。いつかくるよね。前半の裕翔の方が好きだったけど、後半のりばちゃんの裕翔も良かったと思う。後半は物語に対して拒絶しちゃっていたからなかなか受け入れられてはいないけど...とにかく裕翔がかっこよかったのが良かった。裕翔のかっこよさを実感する映画だった。

 

ピンクとグレー。裕翔の初出演映画だし、シゲちゃんのことも応援しているし、好きになりたかった。どうしてあんな風にアレンジしてしまったんだろう....違う監督で観たかったな。美しくて儚くて切ない友情の物語として。